2016.10.19高層マンションでゴンドラ採用

D’グラフォート横浜クルージングタワー大規模修繕工事

マンションは昭和9年竣工の旧東京三菱銀行横浜中央支店跡地に立地

横浜・馬車道、みなとみらい地区に立地する21階建ての高層タワーマンション。昭和9年竣工の横浜市認定歴史的建造物・旧東京三菱銀行横浜中央支店(元第百銀行横浜支店)跡地に平成16年、マンションを建設。同時にマンション低層部は銀行時代の外観意匠が復元された。
由緒ある建造物であるため、または観光客が多い立地とあって、仮設、養生への配慮が大きいことが工事の大きな特徴である。
資材倉庫、廃材置き場は通行人のいる国道側に設置。ただし、使用する仮囲いは中が見えないように配慮し、さらにマンションの外観と周辺環境に調和した御影石タイプを使用している。
また、馬車道からみなとみらいの赤レンガ倉庫や中華街に訪れる観光客も多く、通行人に対する警備・誘導員による安全通行も徹底した。
塗料などの飛散などでは養生に配慮したが、特に高圧水による壁の洗浄時には通行規制も実施。ところがさまざまな国から観光客で「STOP」など簡単な英単語も通じないことがあり、他のマンションでは見られない苦労もあったという。
現場代理人によると、「洗浄水が飛散しないように高圧水洗浄の水をバキュームしながら作業するのですが、ゴンドラがすごく揺れて、それはたいへんでした」と語る。
足場仮設は上下移動と左右横移動が可能なゴンドラを採用。11基設置したが、電力が限られるため、全基動かせるわけではない。フル稼働でも6基。洗浄係とバキューム係が複数乗ると定員オーバーになることもあり、工事の進捗に関して、今後高層マンションでの業界の課題点となるのではないかと思われる。
管理組合の取り組みも関心度が高く、「ベランダのパーテーション(隔て板)の取り外しについて、管理組合が中心になって全戸にお願いしてくれたことがありがたかった」と現場代理人。
枠組み足場ではないゴンドラの場合、横移動に時間がかかる。プライバシーなどの問題で嫌がる居住者も多い中、隔て板を外してもらえれば、職人がその階の行き来が楽になり、作業の時短にもつながるのだ。
1戸当たりの隔て板の取り外し期間は、約2.5カ月間。これは修繕委員会の協議における管理組合の方針として、全戸に通達したという。
現場代理人は「作業性が上がるとともに、隔て板の下の細かなところまできれいにできて、施工品質もアップできました」という。
管理組合の理解がなければ施工精度の限界もある。施工の品質向上は、管理組合や居住者の協力がいかに大切か。それがわかるエピソードといえよう。

工事データ

○工事名/D’グラフォート横浜クルージングタワー大規模修繕工事 ○建物概要/2004(平成16)年3月竣工・RC造・地上21階建・1棟・135戸 ○発注者/D’グラフォート横浜クルージングタワー管理組合 
○主な工事内容
・共通仮設/仮設事務所、作業員詰所、資材倉庫の設置等
・直接仮設/建物外周ゴンドラ・足場仮設、飛散防止メッシュシート設置
・シーリング/タイル目地、天井・床目地、ベランダ建具取り合い等
・下地補修/タイルひび割れ、浮き補修、塗装面鉄筋爆裂補修、外壁洗浄等
・外壁等仕上げ/外壁吹付け塗装等
・鉄部塗装/屋上・塔屋周り各種扉・端子盤、バルコニー隔て板、雨樋、駐輪場等
・防水/ベランダ防水(側溝、巾木ウレタン、長尺塩ビシート貼り)、21階屋上笠木等
・その他/ベランダガラス等の各所クリーニング、アプローチ床防滑処理等
○工事期間/2015年10月5日~2016年5月15日

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