2016.12.29総会時、理事が議案に反対できるか?

管理組合の理事を務める方からこのようなご相談をいただきました。

「マンションの大規模修繕工事の実施判断をするために、先日、建物調査・診断を行いました。調査の結果、大きな損傷はないということで、私を含めた数名の理事の間では工事を数年先延ばししようと話していたのですが、理事長の独断で、次の総会議案に大規模修繕工事の実施に関する議案が盛り込まれることになってしまいました。

理事長は10年以上も理事長職に就いている方なので、周囲はなかなか口出しできないのですが、独断で物事を進めるのはいかがなものかと思っています。総会のときに、私が議案に反対することはできるのでしょうか?」

マンション総研のお答え

理事会は管理組合の執行機関です。年間業務方針や予算案、工事の実施案などの各種提案事項を総会前に決定する役割を持っています。理事全員の意見が一致した上で、総会に議案を提出することが理想ですが、実際にはそううまくいかないこともあります。結論からいうと、総会の場で、理事の方が議案に反対することはできます。

理事が総会で議案に反対する際の注意点

理事は総会での「決定」に従い、決定事項を執行する義務があります。そのため、「案」そのものに賛成する義務はありません。理事であろうとも、一区分所有者として発言の自由はあるのです。

ただし、管理組合の中心である理事会で意見の相違や内紛が起こり、それを総会に持ち込んでしまっては、管理組合運営に支障をきたすことになりますし、最悪の場合、区分所有者の間に理事会不信が巻き起こってしまいます。そのため、どうしても意見のすり合わせができないようであれば、理事を辞任した上で、一区分所有者として議案に反対した方がよいと考えることもできます。

いずれにせよ、後々のトラブルを回避するために、「理事会運営細則」などで、理事が議案に反対する際にはどうすべきかを定めておくことがよいでしょう。とはいえ、今回の相談にあるような独裁的な理事長というのは、最適なマンション管理のためにはあまり褒められたものではありません。理事長を持ち回り制にするなどの対処も必要であるでしょう。

参考文献 『マンション管理の「なぜ?」がよくわかる本』
発行/住宅新報社
著者/ NPO日本住宅管理組合協議会

コラム一覧

コラム一覧へ