2017.01.04電力自由化、マンションの対応は?

電力やガス自由化は管理組合にとって頭の痛い問題

2016年4月、経済産業省は、これまで東京電力など地域の電力会社が行ってきた電力供給事業への参入を全面自由化させました。同省資源エネルギー庁への登録小売電気事業者は8月4日現在、331社となっています。2020年には発送電分離がなされ、発電も小売りも完全に公平な自由競争となります。

さらに、2017年4月には都市ガスも小売りが自由化されることになりますし、続いて2022年にはガスも導管分離がなされ、全面自由化される予定となっています。これに伴って、現在ではガス会社の電力事業参入、電力会社のガス販売、さらには他業種からの参入が激化しています。

消費者は、自らの意思で電力やガスというインフラ供給会社を選べることになるわけです。そのため、各消費者へのアピールのために、各社のサービスは多様化し、値下げ競争も起こることが予想されます。しかし、増加する新規参入企業が数年後も電力事業、ガス事業を継続できるかどうかは誰にもわかりません。

消費者にとっても光熱費の節約につながる環境になる一方で、「どの会社のどのプランが自分に適しているのか」という悩みが増えることにもなります。さらに、各戸の選択の自由を妨げることができないため、共有部分の節約に努めたい管理組合にとっても、どの会社のどのプランを選択するかということは頭の痛い問題です。このような状況の中で、各マンションではどういう対応をすればよいのでしょうか。

「現段階では早急な判断をしない」ことが得策

管理組合として考えたいのは、共用部分の電気料金の節約です。高圧一括受電(発電所から送配電される電力を管理組合がまとめ買いして各戸に小分けするシステム)のマンションの場合、全戸が契約を変更する必要があるため、合意形成が難しいと考えられます。

家庭の電気料金だけに目を向けていると、専有部分は節約できても、実は共用部分では電気料金が値上げされており、トータルで考えると出費が増えていたということもありえます。管理組合としては、居住者に対して正確な情報を提供し、しっかりと合意形成を図る必要があります。

しかし、今は電力自由化がスタートしたばかりで、各社のサービス内容も逐次変化してい流状況です。当面は現在の方式を維持し、ある程度の落ち着きが見られたら改めて検討する、つまり「現段階では早急な判断はしない」ことが得策であると言えます。

なお、各戸が小売電気事業者と契約する際は、あくまで各戸の責任範囲内であり、管理組合に責任は及ばないことも明確にしておくことも必要でしょう。

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